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第5回 保護者との対話が支えになった日々

教育相談としての広がり

 

2015年当時、活動の場では保護者から相談を受ける機会が増えていきました。
中国語学習のことだけではなく、小学校受験や中学受験、さらには他の習い事との両立についても多くの声が寄せられました。時には学習法の悩み、時には子育ての方向性に関する相談もありました。

こうした対話を通じて、私は子どもの学びをより広い視点で捉えることができるようになり、経験を重ねることで教育全般への理解が深まっていきました。信頼されてご相談いただけることは何よりも嬉しく、その後の保護者対応や相談にも自信を持てる大切な糧となりました。

 

保護者同士のつながり

 

幼児を持つ保護者にとって、悩みは尽きません。学習の前後には子ども同士が一緒に遊んだり、保護者同士で食事をしながら交流を深める時間も生まれました。こうしたやり取りを通じて保護者同士の結びつきが強くなり、学びの場が「地域の小さなコミュニティ」として機能していったのです。

今でも、当時の保護者の一部と連絡を取り合い、成長した子どもたちの様子を聞かせてもらうことがあります。年月が経っても続くつながりは、当時の学びの場が確かに価値あるものだったことを示しているように思います。

教材開発へのつながり

また、保護者からの相談や意見は、単なる教育相談にとどまらず、教材開発のヒントにもなりました。どのような教材なら家庭でも使いやすいのか、どの活動なら子どもが楽しみながら続けられるのか。そうした具体的な声は、後に教材研究を進めるうえで欠かせない視点となりました。

 

支えになった日々

 

どの保護者も皆、子どもの成長のために真剣に向き合っていました。その姿を思い出すことは、

後に私が大学院で学ぶ際にも大きな励みとなりました。保護者との対話は、教育相談の広がりを実感させてくれるだけでなく、教材開発や研究へと歩みを進めるうえで確かな支えになったのです。

最後にひとこと

 

保護者との対話は、お伝えしたとおり大きな学びとなったばかりではなく研究への情熱を後押ししました。

中国語教育を通して、子どもの成長プラス家庭の変化にも同席させていただいたというとわかりやすいかもしれません。

 

しかし、活動を続ける中ではさまざまな偏見・課題に向かうことにもなりました。誰もやっていないこと、前例のないことに周囲の人たちはやはり警戒してしまうのかもしれませんね。

次回は、「それでも続けた理由」について、お伝えする予定です。